排卵日検査薬

基礎体温表をつけて、自分の基礎体温のパターンを知り、排卵の時期をだいたい予測してセックスをするーこれは妊娠に向けての理にかなったアプローチであり、実際、この方法によって非常に多くの人が妊娠しています。

しかし、妊娠に至りづらい女性のなかには、生理周期が安定していなかったり、仕事上のストレスなどで、排卵時期がなかなか予測できなかったりする場合があります。

こうしたときに、基礎体温表をサポートするツールとして、しているのが排卵日検査薬です。

排卵日検査薬とは、排卵前に急上昇するホルモンの「LH」を感知するテストペーパーです。

排卵前、女性は血中のLH濃度が急上昇し、そのLHは尿中にまで溢れ出てきます。
それを尿検査によって調べようというわけです。
基礎体温表のみだと、往々にして「しまった…あの日に排卵していたんだなあ」ということがあります。

でも、そこで振り返っても後の祭り。しかし、この排卵日検査薬を使えば、排卵する日を「よし、明日だな！」と前もって知ることができるわけです。

このため私はいつも患者さんに、基礎体温表と排卵日検査薬を併用し、検査薬の結果を表に書き込むようにすすめています。

そうすることによって、排卵がいつ訪れるかを、より高い精度でより立体的にとらえることが可能になるのです。

ただ、排卵日検査薬を用いるにあたって、ひとつ心がけておいてほしいことがあります。
それは、排卵日が予測できたからといって、「義務」のようにセックスをしないことです。

排卵日検査薬で陽性反応が出ると、多くの女性は非常に意識が高まり、さあ、子づくりに励もう!という意気込んだ心理状態になることが予想されます。
しかし、それが男性にとって大きなプレッシャーとなることが多いのです。

なかには、こうした「セックスの義務化」をきっかけに夫婦生活がうまくいかなくなることもあります。

こういう状況での男性の心理は、とてもデリケートなものです。
検査薬で陽性反応が出た場合、女性側がさりげなくサインを出したり、うまく誘ったりするような、そんなパートナーへの気づかいも大切だと思います。