不妊治療とは?

伝えておきたい大切なことがあります。

 

不妊治療とは、あくまで医療によって「妊娠のお手伝い」をするもの。
「治療をすれば必ず妊娠する」というわけではありません。
なぜこんなことを言うのかというと、いったん不妊治療をはじめてしまうと、妊娠という結果がその延長線上にしか得られないような誤解をしてしまう方がたいへん多いからです。

 

また、不妊治療がスタートすると、その治療を頼りにしすぎてしまい、「ふだんからセックスをする」といういちばん基本の行為がおろそかになってしまうカップルも少なくありません。

 

でもそれでは本末転倒というもの。
それに、決して不妊治療の延長線上だけに妊娠があるわけではないのです。

 

たとえば、私はこれまで「不妊治療をやめたら妊娠した」というようなケースをたくさん見てきました。

 

また、医療機関で人工授精を何回も経験したあと、私のクリニックにいらして、漢方薬だけで妊娠したという方もたくさんいらっしゃいます。

 

そういうことも多いのです。
つまり、不妊治療をはじめたからといって、自然妊娠の可能性を捨ててはいけないのです。
両方の卵管が詰まっているとか、男性側が無精子症や重度の乏精子症だとか、そういう状況を除けば、ほとんどのカップルに自然妊娠の可能性があります。

 

それならば、不妊治療を受けていても、自然妊娠も求めていくのが自然な姿でしょう。
いざ不妊治療がスタートして「患者」という立場に立ってしまうと、人はどうしても受け身になってしまいがちです。

 

しかし、妊娠は、医師側が患者側に一方的に授けるものではありません。
医師側は患者をサポートするだけ。

 

基本になるのは「患者は自身で補えない部分を医師に補ってもらっている」という関係です。

 

つまり、医師による治療は「妊娠力」を補うサプリメントのようなものと考えればいいのです。

 

サプリメントばかりに頼って日常の食生活を疎かにするのはよくないように、ふだんの性生活も疎かにしてはいけません。

 

妊娠を叶えるのは、あくまで自分たちの妊娠力であるということを、ぜひ忘れないようにしてください。

 

そもそも不妊とは?
妊娠しやすい日はいつ?
排卵誘発剤を使う方法
排卵誘発剤の種類
排卵誘発剤の副作用

不妊治療とは?エントリー一覧

そもそも不妊とは?
そもそも不妊ってどういうこと?「不妊」とは、いったいどういう状態のことをいうのでしょう。こんな言葉を聞いたことはありませんか?「通常の夫婦生活をして、2年間妊娠しなければ不妊症」でも、考えてみてください。ここでいう「通常の夫婦生活」の「通常」って、どの程度のことをいうのでしょう。月に1回のセックスが「通常」のカップルもいれば、ほとんど毎日愛し合うことが「通常」のカップルもいます。その捉え方はまちまちですし、カップルそれぞれに、自分たちのペースがあっていいはずです。じゃあどこからが不妊なの?そうい...
妊娠しやすい日はいつ?
妊娠しやすい日はいつ?@排卵のその日だけ夫婦生活をするより、排卵の直前くらいから1〜2日おいて2〜3回位夫婦生活をするほうが3倍くらい妊娠率が高くなると考えられています。A 排卵日まで夫婦生活をしないでおくと、精子は毎日作られるため、古い精子が新しく作られる精子の足をひっぱるという考えもあります。B ある年齢以上になると、精巣の中がいっぱいになると、それ以上新しい精子が作られなくなるという考えもあります。ですから、時々夫婦生活をして、古い精子を出し、排卵の時に良い精子の状態にしておくと良いでしょ...
排卵誘発剤を使う方法
排卵誘発剤を用いる方法排卵誘発剤は@ 単独で用いられる時A 2種類の異なった薬を用いる時B 排卵誘発剤の効果を上げるため、他の薬と一緒に用いる時などがあります。排卵誘発剤は「何を」、「いつ頃から」、「どのくらい」使用するかは、個々の症状で異なります。医師とよく相談しましょう。排卵誘発剤の種類排卵誘発剤の副作用
排卵誘発剤の種類
排卵誘発剤の種類について排卵誘発剤は大きく分けて2種類あります。l つは内服する薬、1 つは注射薬です。一般的には内服薬の方が弱く、注射薬の方が強い効果があります。@ 内服薬内服薬の種類について内服薬は主にシクロフェニル剤(商品名… セキソビット)とクエン酸クロミフェン剤( 商品名… クロミッド) が用いられます。内服薬の使用方法一般的にはセキソビット(商品名)、クロミッド(商品名) とも月経の3.5日目から5日間用いられます。薬の効果を見ながら、薬の量が増えたり、使用期間が長くなったりすること...
排卵誘発剤の副作用
排卵誘発剤 内服薬の副作用について内服薬の最大の副作用は多胎妊娠です。排卵誘発剤を用いないで自然に妊娠した場合、双胎ができる確率は約1・3%と考えられていますが、内服薬では約5%になると想定されています。卵巣過剰刺激が起こる可能性もあると考えられています。しかし、注射薬に比べるとはるかに確率は低く、仮に起こっても程度は軽いと考えられています。その他発疹が出る時があります。妊娠した可能性がある時は薬を使ってはいけません。