基礎体温表からわかること

では、毎日つけている基礎体温表から、いったいどんなことが見えてくるのでしょうか。
女性の体温は、通常、排卵を境にして、低温期と高温期がそれぞれ2週間ごとに繰り返されるというパターンをとります。

低温期と高温期がくっきりと分かれていると、グラフがカウボーイハットのように見えます。こうした体温変化がもっとも理想的なのです。

このように低温期と高温期がはっきり分かれるのは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンがバランスよく分泌され、排卵もとどこおりなく行われているあかしです。

一方、低温期と高温期がまったく分かれず、低温期のみが延々と続くような基礎体温表であれば、排卵がまったく行われていない可能性があります。

こうした場合は、妊娠を望む、望まないにかかわらず、婦人科の医師に相談したほうがいいでしょう。生殖可能な年齢で、排卵がない状態が続くのは、体的に決して良いことではないのです。

また、二相に分かれる場合であっても、低温期が3週間～1カ月近くも続くようなら、同様の注意が必要です。

こうした場合、たとえ排卵が行われていても、いい卵が育ちにくいといわれています。
低温期から高温期への移行は、ググッと急勾ばい配の坂を上るように移行するのがよく、ダラダラとゆるい坂を上るように移行する場合、排卵があっても妊娠に至らないことが少なくないのです。

ただ、ここでひとつ、注意しておきたいことがあります。
それは、多くの場合、このカウボーイハットのような模範的な基礎体温にはならないということです。

何事も教科書通りにはいきません。人の顔が十人十色であるように、基礎体渥のパターンもいろいろ。

また、女性のコンディションが日によって違うように、基礎体温も変動します。
ですから、基礎体温表を眺める際は、あまり理想形に囚われず、フレキシブルな目で見るほうがいいでしょう。