ホルモン検査

基礎体温表をつけていれば、排卵しているかどうか、黄体の機能に問題がないかどうかなどを、ある程度予想できます。
ただ、それはあくまで「予想」であって、詳しいことはわかりません。

 

より詳しく調べるために、不妊治療を行う医療機関では血液を採取して、各種ホルモンの値などを調べます。

 

この採血検査は、
@ いつでも行えるもの、
A 高温期に行うもの、
B 生理中に行うもの
の3つに分けて考えると理解しやすいと思います。

 

@ のいつでも行える検査に該当するのは「テストステロン」「プロラクチン」「クラミジア」です。

 

テストステロンとは男性ホルモンのこと。
プロラクチンは別名乳汁分泌ホルモンと呼ばれ、妊娠していない女性がこの値が高いと、しばしば妊娠の妨げとなります。

 

クラミジアは性行為感染症のひとつ。これに感染していると卵管通過障害を起こすことがあり、クラミジア抗原陽性の場合、治療後に子宮卵管造影検査を行う必要があります。

 

A の高温期に行う検査としては、「プロゲステロン(黄体ホルモン)」「エストロゲン(卵胞ホルモン)」があります。
先に詳しく述べたように、これらのふたつのホルモンは、受精卵をより着床しやすい状態にするために大活躍するホルモンです。

 

そして、B の生理中に行うホルモン検査に、「LH (黄体形成ホルモン)」と「FSH へ卵胞刺激ホルモン」があります。

 

LHは排卵を促すホルモン。FSHは卵の成熟を促すホルモンです。
大切なことは、この生理中のFSHの値が、卵巣の老化の程度を知る指標になるということです。

 

女性は一般的に35歳を過ぎると、FSHが上昇しはじめ、40歳を過ぎると上昇のスピードはさらに速くなります。
つまり、この値が、不妊治療をゆっくり考えてよいのか、それとも急がなくてはいけないのか、それを見極める指標になるわけです。

 

ただし、ぜひ覚えておいていただきたいのは、こうしたホルモンの値はその周期の体調や心身の状態により変わりうるということ。

 

次回もまた同じ結果が出るわけではないのです。
ですから、異常値が出た場合でも、結果を鵜呑みにして、落ち込まないことが肝心。

 

翌月もう一度再検査を申し出てみたり、時間を置いて体調のよいときに改めて検査に行ったりしてみるのもいいでしょう。